種類と症状
【慢性関節リウマチ】
慢性関節リウマチとは
慢性関節リウマチは、変形性関節症に次いで多い関節炎です。女性に多いといわれています。関節リウマチの原因は、自己免疫の誤作動である自己免疫疾患と関連があるといわれています。自己免疫疾患は、免疫が誤って自分の自身のからだを攻撃することで発症してしまいます。
なにがきっかけで、そのような免疫誤作動が起こるのかといったことは、まだはっきりとわかっていません。しかし、細菌では、その人にもともと備わっている「遺伝的要因」に、その人が置かれている「環境的要因」が加わって発症するという考えが主流になっているようです。
| 要因 | 特徴 |
| 遺伝 | 最近の研究によると、慢性関節リウマチを発症する人の60%は遺伝子が原因とわかっているようです。慢性関節リウマチに遺伝がみられるのは、病気そのものが遺伝するわけではなく、体質のようなものが遺伝するために病気が発症しやすくなるといわれています。 |
| 環境 | 紫外線、化学物質、食物オイル、脂肪、ビタミン、ウイルスや細菌の感染、ストレス、妊娠、出産などがあります。これらの環境的要因が正常な遺伝子を傷つけたり、親から受け継いだ関節リウマチにかかわる因子を引き起こすきっかけになっていたりする場合があります。 |
関節リウマチのタイプ
関節リウマチは、ずっと同じ症状が続くわけではなく、時間とともに変化していきます。そのタイプは、大きく3つに分けられます。
| 種類 | 特徴 |
| 単相性 | 一時的に悪くなるが、すぐによくなって状態が落ち着くタイプです。 |
| 多相性 | 一度よくなって、症状が落ち着いてる時期が続き、しばらくするとまた悪くなるタイプです。よくなったり、悪くなったりを繰り返します。 |
| 進行性 | どんどん悪くなっていくタイプです。 |
症状
兆候・初期症状
関節リウマチには、関節に関する症状の前に、前駆症状が現れます。関節の痛みではなく、主に疲労感、微熱、食欲不振、体重減少などといったはっきりしない全身性の症状となって現れます。これらの症状は見過ごされがちですが、一過性ではなくしばらく続けば関節リウマチの兆候である可能性があります。放置せずに病院を受診するようにしましょう。
関節の症状
関節リウマチか現れれば、特徴的な症状が現れます。症状は次のとおりです。
- 朝、関節がこわばって動かしにくい
- 関節の痛みや腫れが左右対称に起こる
- 押すと痛みを感じる
- 手指の小さな関節に症状が現れる
関節以外の症状
関節リウマチでは、関節だけでなく全身にも症状が及びます。上記の初期症状に加えて、微熱、寝汗、血色の悪さ、といった症状が現れます。さらに、関節リウマチによって二次的に合併症が起こることがあります。合併症には、以下のようなものがあります。
| 合併症 | 特徴 |
| 間質性肺炎 | 肺の間質と呼ばれる箇所に炎症が起こる病気です。 |
| 骨粗しょう症 | 骨のカルシウムが溶け出して骨がもろくなる病気です。 |
| 貧血 | 血液中の鉄分が少なくなることでおこる血液の病気です。 |
| 心臓病 | 心筋炎、不整脈、心筋梗塞といた病気があります。 |
治療
関節リウマチでは、病気の重さや進行度によって決定されます。軽症の場合では比較的作用が穏やかな抗リウマチ薬が使用されます。中等症や重症の場合hには、作用の強い抗リウマチ薬、あるいは生物学的製剤などが使用されます。関節の破壊が進んでしまっていたり、変形が起こってしまったりしたときには、手術を行うことがあります。以下に慢性関節リウマチで使用される代表的な薬や手術をご紹介します。
薬による治療
| 種類 | 特徴 |
| 抗リウマチ薬(作用弱) | 異常な免疫反応を抑えるはたらきがあります。副作用が少ないですが、効果が弱く、効果はゆっくりと現れます。主な商品に、アザルフィジンEM、カルフェニール、リマチル、モーバー/オークル、シオゾール、メタルカプターゼなどがあります。 |
| 抗リウマチ薬(作用強) | すべの免疫反応を抑えるはたらきがあります。効き目は協力ですが、副作用が強く、感染症にかかりやすくなるという特徴を持っています。主な商品に、リウマトレックス、アラバ、プログラフ、ブレディニンなどがあります。 |
| 非ステロイド抗炎症薬 | 非ステロイド抗炎症薬は、解熱・鎮痛・消炎を目的として使用されます。代表的なものに、インドメタシンやカロナール、バファリン、ブルフェン、ロキソニン、ポンタール、フェルデンなどがあります。 |
| ステロイド薬 | 免疫系のはたらきを抑え、炎症を強く抑えます。抗リウマチ薬が効くまでの間に痛みをとりたい場合、抗リウマチ薬や非ステロイド抗炎症薬を使っていても症状がとれずに痛みがつらい場合、妊娠中や副作用などの問題で抗リウマチ薬や非ステロイド抗炎症薬が使えない場合に使用されます。代表的なものに、プレドニン/プレドニゾロン、メドロール、デカドロン、リンデロン、コートリルなどがあります。 |
| 生物学的製剤 | 従来の抗リウマチ薬では、免疫異常に働きかけるこによって関節リウマチを抑えようとするものでしたが、最近になって関節リウマチの発症や炎症に関するサイトカイン(免疫などに関係する生理活性物質)だけをターゲットにしてそのはたらきを抑える薬ができました。それが生物学的製剤と呼ばれるものです。現在日本ではレミケードとエンブレルという2種類の薬が保険適用となっています。いずれも関節内に多く存在し、免疫細胞を活性化させて炎症を引き起こすサイトカインを抑制するはたらきをもちます。 生物学的製剤は、抗リウマチ薬に効果がなく、放っておけば関節破壊が進んでしまう場合に使用されます。ただ、この薬は国内での長期間使用したデータがないので、未知数なところがあります。海外でのデータでは、感染症にかかりやすことがわかっているようです。 |
手術による治療
| 種類 | 特徴 |
| 人工関節置換術 | 人工につくられた関節を置き換える手術です。置き換える骨を専用の装置で切り、そこに人工関節を埋め込みます。手術にかかる時間はひとつの関節当たり1時間~1時間半程度といわれています。置換後は、リハビリテーションをして新しい関節に慣れる訓練を行います。 この手術は、関節症状はそれほど進んではいないものの、関節が破壊される可能性が高いときに行われます。 |
| 滑膜切除術 | 関節の腫れている部分にある、炎症を起こしている滑膜を削り取る手術です。炎症がある部分を取ることで痛みや炎症によって引き起こされる骨の破壊や変形がなくなることを目的とします。主に、ひざや肩、ひじ、手首、指の関節で行われます。ただ、再発することもあるため、最近は人工関節置換術や関節固定術などができない手首の関節で行われることが多いようです。 |
| 関節固定術 | 破壊や変形が起こっている関節を修復して骨と骨とを直接くっつける方法です。足関節の変形が高度で人工関節置換術ができないときに行われます。足の関節などを対象に、関節痛の除去、日常生活の向上を目的とします。 |
| 関節切除術 | 関節を構成する骨を切除する手術です。足底に痛みのある強いたこをつくるような外反母趾やつちあし変形に対してよく行われます。 |
| 腱形成術 | 炎症によって切れてしまう腱をつなげる手術です。おもに手首で行われます。腱が切れて間もないときは、直接腱をつげますが時間がたって腱が萎縮したときは、別の腱をもってきて移植することがあります。 |
リハビリテ^ション・装具療法
関節リウマチのリハビリテーションは、関節を動かせる範囲である可動域を保つために行います。関節を雨後越さないでいると関節が硬くなって動かなくなうことがあるため、それを予防します。リハビリテーションでは、関節をゆっくり回す運動や、体操が行われるのが一般的です。
装具療法は、炎症がおこって不安定な関節を支えたり、その人の日常生活動作をサポートしたり、変形の予防や強制を目的として行われるものです。ベルトやサポーター、カラー(首に巻く装具)などで不安定な関節を固定します。そのほか、握らなくてもてに密着されるようにデザインされたスプーンやフォーク、腫れた手でもまわせるようなドアノブなどといった自助具をを使うこともあります。











